広報は企業の”スタイリストさん”
1927年に香水の会社として創業し、2027年には創立100年を迎える株式会社マンダム。
「Human to Human」という企業理念を掲げ、「ギャツビー」や「ルシード」「ビフェスタ」などのブランドを展開してきた。
“人間だからこその感性” や思いやりを大切にする文化は、社員の人柄や社風・モノづくりのベースとして定着している。
そんな同社が持つ魅力を発信し続けているのが広報部の根岸沙英(ねぎしさえ)さんだ。
今回は彼女の熱い想いとともに、広報の秘訣を聞いた。
【企業の強み×ブランド・商品の強み シナジーを生み出す広報戦略】
広報部は、東京拠点5名、大阪拠点5名の総勢10名で、企業広報、マーケティングPRを担っています。
商品やサービスだけでなく、そこに企業としての強みやメッセージも同時に伝えていけるような、
「企業の強み×ブランド・商品の強み」を掛け合わせた(シナジーを生み出せるような)広報活動を目指しています。
例えば、新製品の発表会等のイベントは通常、ブランド発のものが多いですが、弊社ではブランドではなく「企業、マンダム」として実施することが多いです。
ブランド起点の商品やサービスの紹介だけではなく、企業として取り組んできたことや技術力、歴史や想いなども一緒に情報として発信できることがメリットです。
メディアの方からは、まじめな積み重ね、技術へのこだわりはもちろんのこと、そこに付加する情報はマンダムらしくて面白い!と言っていただくことが多いです。
部署間の連携がカギに
昨年、弊社の「ギャツビー スペースシャワーペーパー」が宇宙ステーションで実際に使用されるというビッグニュースがありました。
広報部では、”お役立ち”を追求するマンダムの新たな領域での”お役立ち”として、積極的な情報発信を行い、多数のメディア露出を獲得しました。
結果として、生活者の方々に、「驚き」「ワクワク」「ドキドキ」の感情と共に、「マンダムってこんなことやってるんだ!」と感じて頂くことができたかと思います。
質の高い情報発信の背景にあったのが、開発メンバーとの密な協働です。
実際に、商品を開発したメンバーから開発における苦労やストーリーを聞くうちに、
宇宙という新しい領域へのチャレンジに対する情熱の部分をメディアを通して発信していきたいと感じるようになりました。
そこで、開発メンバーに積極的にメディア出演してもらい 、プロジェクトに対する想いや企業としての魅力を直接語ってもらうことで、温度感の高い情報を 伝えることに成功しました。
多くの露出の中で結果的にマンダムの”お役立ち”の広さ・深さ、技術への信頼や期待感などを持っていただけたと考えています。
世代の垣根を越えた”ウェルネス”の実現へ
今後、広報部としては、マンダムが目指している”ウェルネス”の実現に向けて注力していきます。
商品・サービスの提供だけではなく、自分らしくある、自由に自己表現ができる文化や風土の創造には、広報の役割が重要だと思っています。
“ウェルネス”の実現に向けた取り組みのひとつとして、「Z世代」との絆の醸成を目指す”部活ヘア”プロジェクトがあげられます。
明文化されている校則とは違い、”部活ヘア”は暗黙のルールが存在するなど、顕在化しにくい課題だと思います。
「自分らしく、在りたい自分でいる」というのがマンダムの目指すべきところでありますが、
特に学生は、身だしなみやオシャレに興味が湧き、自己表現をしたいという思いが一番強くなる年代だと考えています。
単純なスタイルの提案や、既存のルールの撤廃を目的とするのではなく、学生自身に「自分らしいって何だろう」と考えるきっかけを提供することで、語り合いの機会を創出していきたいというのがこのプロジェクトの目的となっています。
大人の年代は、「マンダム」のブランドがあったから企業認知をされていますが、若い年代は「ギャツビー」での認知度が高く、マンダムとの紐づけがされていないので、そういった意味でも若い世代の人たちとも繋がっていきたいとマンダムは考えています。
広報は企業の”スタイリストさん”
広報を何か別のモノに例えるなら”スタイリストさん”だと思います。
企業を一人の人間のように、法人を人格に例えると、会社には人財、技術、商品などさまざまな要素がありますが、これがまるで洋服や小物、髪型のようで、これをどんな組み合わせで、どんな見せ方で使うのか、まるでコーディネートを考えるスタイリストさんみたいだと思います。
会社という大きな組織を人格としてとらえてもらう時に、印象づけられる一つの要素として、コーディネートを考える役割を広報が担っていると思いますので、これからも会社が持つ良さや強みを誰よりも知り、それを誰よりもうまく打ち出せる広報でいたいと考えています。
株式会社マンダム
URL : https://www.mandom.co.jp/ 広報担当 : 根岸沙英